十日恵比須神社

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博多の新春は十日恵比須の「正月大祭」で始まる。

正月大祭の始まり
「福岡懸神社誌」(昭和19年刊)によると、「香椎宮社家の武内平十郎(後隠居して五右衛門と称す)が博多に分家し、神屋と号して商売を営みました。此の者天正十九年(一五九一年)正月三日、年始に当り香椎なる父の家に至り、香椎宮、筥崎宮への参詣の帰途、浜辺潮先に於て、恵比須大神の尊像を拾い上げたる地に御社を建て氏の神と家運大いに栄えたと云う」とあります。
また、「明治参拾参年旧正月記録ヨリ写取者也」と添え書きのある武内文書「十日恵比須神社記録写」には「香椎から箱崎に参拝途中の潮先で、恵比須二対を拾い上げて、持ち帰って奉斎した」「毎年正月十日恵比須ととなえて、自身でお供えして拾い上げたところで御神酒をささげた。これが知られて次第に参拝する人が多くなって繁昌した」という意味のことが書かれています。
当時、社は崇福寺境内にあったようですが、博多に分家した香椎宮ゆかりの武内家の一族が、最初は自宅に祀り、のち千代の松原に一社を建立したのが始まりらしいとのことです。
正月大祭の見どころ
古文書に依れば、文禄元年(1592年)から現在に至るまで御座が開かれています。開運御座とは新春の縁起を祝う儀式で、当神社の大祭、1月9日午前10時吉例の一番座に始まり、翌10日の24時まで次から次と神事が執り行われます。開運御座には各界の知名士、崇敬者をお招き致しますが、一般の方も申込出来ます。式次第は次の通りです。
  • 1、受付に御申込の上、白丁(はくちょう)を着用します。
  • 2、拝殿にてお祓いを受け、神恩に感謝の念を捧げます。
  • 3、1年中の開運、商売繁昌、家内安全、無病息災の御加護を仰ぐ御祈願が執り行われます。
  • 4、開運殿大広間の神前、お座席に着き、係り世話人の新年の挨拶に始まり白木の折敷(おしき)にお茶菓子、お抹茶を差上げます。
  • 5、直会膳(なおらひぜん)で縁起を祝う蛤吸物に一口ナス、折敷には御神饌、昆布するめ、えびす飴等が授与される神人同食の神事を行います。
  • 6、神社古来からの名物である縁起物の福引が声高々に行われ、お座敷は一同和やかな雰囲気につつまれて、にこにことえびす顔。
  • 7、最後に御参席の皆様方の御幸運と御一家の繁栄を祈り威勢良くえびす手一本の打入れが行われ、福笹を手にして御座が滞りなく終了です。
福引
その年の運を試すのが福引き。福引きを引くと、世話人の「大当たりー!」の声が境内に響きます。福笹と共に渡される景品は、張子の福起こし、福寄せ、干支、金蔵、そろばん等、縁起の良いものばかりを揃え、必ず皆様に福が授かるようになっております。
福引
博多は昔から那の津と呼ばれ、商業貿易の町として栄えてきました。この博多の年中行事の1つ、新春の華を開くかち詣りが、正月9日の宵えびすの午後に行われます。
博多券番のきれいどころ(芸妓)総勢で島田のビンに稲穂のカンザシ、紋付正装、裾ひき姿でかち詣りの、のぼりを先頭に、博多那能津会の三味、笛、太鼓で十日えびすの唄をはやしながら東公園入口より行列、徒歩にて神社に参拝し、1年中の開運、商売繁昌の祈願をされます。
以前は宝恵駕(ほえかご)参拝で、赤ズキン、赤ハッピを着こんだ行事委員長を中心にきれいどころ12人がきらびやかな駕に乗り込み、海山の珍味を乗せた駕5丁を後に「ホイカゴホイ」祭りの福笹なつかしや、献上博多の帯しめて!と笛、太鼓に合せ威勢のよいかけ声を流して市内目抜き通りを練り歩き神社に参拝されたが、交通事情と駕のにない手不足の為、永年続いていた宝恵駕が昭和44年正月を以って中止となり、翌45年よりかち詣りとなり現在も行われて居ます。
福引
古来家屋の新築にあたり棟上の日に金銀の箔を押した銭、又は新鋳の銭を撒ずる式があり、これを上棟銭と云いました。江戸時代には将軍の若君等の誕生、元服などの時祝儀の為に鋳造した黄金の銭(父銭・ふせん)銀の銭(母銭・ぼせん)等があり、これが神社、仏閣にも福種銭(ふくたねせん)として盛んに用いられるようになりました。ところがこの銭を授かった人は不思議と開運に恵まれた事に依って何時となく縁起の良い銭(種銭)と称える様になりました。
当神社では古くからこの種銭を恵比須神社から貸出すので「えびす銭」と称し、商いの元金(種銭)として神社より縁起の良いお金を借り、これを商売の元手にしました。翌年は神明の御加護に依り繁昌したお礼として借りたお金を倍にして神社にお返しして、又新しい年の繁昌の為に新しく借りて行く風習がありました。当神社では古くからのしきたりに依り昔の通貨1文銭(これは他にはその例がありません)を授与して居ますが、宝が満つる様に財布の御守として参詣者大勢の方々がお受けになって居ます。
※えびす銭は神社から皆様へお貸ししているものです。1年間経ちましたら、当社へお返し下さい。
福引
正月大祭のとき御祈願される方には、お名前を墨書した祈願章を発行し、申込書を本殿前に納めて1年間毎朝祈願致します。
福引
その数はざっと300軒。露店商にとっては正月三が日に続く“商いの場”となります。季節がら温かいタコ焼きやタイ焼きなども好まれますが、“えびす”神社らしく“さげもの”の店もある。かつては和洋帳面の表紙に注文の字を書いて売る“帳面屋”も出ていました。
福引
東公園の西口北側に「松原水」井戸跡が、説明板などとともに保存されています。博多地区では井戸水の水質が悪く、大正12年に曲渕ダムと平尾浄水場が完成するまで、命の水として親しまれたのが、この「松原水」です。
現在、当神社の手水舎はこの地の井戸水を使用しております。