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巫女より−言霊・音霊について

こんにちは、十日恵比須神社 巫女です。この「神職と巫女のお便り」では神社に関する話題から、私たちが日々奉仕をする中で感じることなど、様々な記事を掲載致します。

今回は「言霊・音霊」についてのお話でございます。

古神道では、私たち人は神様から分けていただいた「御霊(みたま)」を身体に宿しているとされています。

そのため、私たちの一つ一つの行動・言動には全て 力(=霊力)が宿っています。

言霊(ことだま)という言葉を聞いた事があるかと思いますが、万葉集には

「…大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ」

(訳)「日本の国は言霊が幸いをもたらしてくれる国なのです」

という歌があり、古来より言葉には大きな力(=霊力)があるとされてきました。

神職が行う祝詞奏上は、御神前にて心を込めて申し上げることにより発揮される言霊の力によって、神様へ祈りを捧げております。

また言霊と並んでもう一つ、「音霊(おとだま)」という言葉がございます。

神楽舞で巫女が鳴らす鈴の音や、太鼓の音、拝礼作法での拍手の音など様々ありますが、それらすべてに邪気や魔を祓い退ける力(=音霊)があるとされています。音霊によってお祓いがなされ、神様を敬い慈しむ正直な心によってお祈りをすることで、お願い事は滞ることなく神様のもとに伝わります。

以上のように、言霊・音霊は神社の祭典を奉仕する中で大切な要素でありますので、これらに対する信仰を根底とし、一字一句、そして一挙動ごとに心を込めて、流麗かつ慎重な作法を心掛けております。

今月6月30日に大祓式がございますが、この祭典の中にも今申し上げた言霊と音霊の要素が含まれています。神職が奏上する大祓詞の言霊によってお祓いをし、祭典の作法の中にある「木綿・麻布の儀」では、麻布を裂くビリビリという音霊によって魔を祓います。知らず知らずのうちに溜まってしまうと言われる罪穢れをお祓いする半年に一度の行事でございますので、皆様ぜひ御参列下さい。(6月30日15時斎行、雨天時は開運殿にて行います)

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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