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巫女よりー神楽についてー

こんにちは、十日恵比須神社 巫女です。この「神職と巫女のお便り」では神社に関する話題から、私たちが日々奉仕をする中で感じることなど、様々な記事を掲載致します。

今回は、私たちが神前にて奉仕致しております巫女舞「神楽」の起源についてのお話でございます。

まず神楽は「神座(かむくら)(=神様が宿るところ)」が語源とされており、神様をまつるために神前に奏する舞楽のことをいいます。そして神楽には、皇室の祭祀として宮中で奏される「御神楽(みかぐら)」と、宮中以外の場で奏される「里神楽(さとかぐら)」の二つがあり、神社の祭典または祈願で舞われている巫女舞は里神楽にあたります。

古事記に記されている日本神話の中には、初めて神様の前で舞を舞ったとされる『(あま)岩戸(いわと)』のお話がございます。

天照大御神の弟、須佐之男命は力自慢でいたずら好きな神様であり、いつも他の神様を困らせていました。あまりにも酷いいたずらが続いたため、日頃優しい天照大御神もこれにはお怒りになり、「天の岩戸」という岩屋に隠れてしまわれました。そして世界は真っ暗な闇に包まれます。これは大変なことだと、八百万の神々は世界に日の出を促すため、天岩戸の前に集まりました。そこで天宇受売(あめのうずめの)(みこと)という神様が拍子をとりながら踊りだし、周りの神々はそれを見て笑い、歌い始めたのです。これが神楽の原型といわれております。

その後、外が何やら賑やかだと、天照大御神は岩屋から少し出て様子を見ようとされます。その瞬間に力の強い神様が岩屋の扉を全て開き、世界はまた日の光を取り戻した…というお話がございます。

日本神話からは、私たち祖先がどのような世界観、人生観をいだいていたかを読み取ることができます。神楽の起源は、どうすればこのピンチを切り開くことができるのか、また神様に喜んでもらえるかといった、神々の創意工夫から誕生したものであったのです。

私たち巫女も、これから神前にてご奉仕をするにあたり、神楽は神様の”神賑わい”のためであるということを忘れず、伝統文化の継承とともに、これからも精進してまいります。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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