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お花のおはなしーキキョウ 桔梗ー

こんにちは、十日恵比須神社 神職です。この「神職と巫女からのお便り」では神社に関する話題から、私たちが日々奉仕をする中で感じることなど、様々な記事を掲載致します。

今年も境内で育てておりましたキキョウの花が綺麗に咲いてくれました。

風船が膨らんだような蕾、そして涼しげな色をした花が特徴的ですが、今回は見て楽しむだけでない、知られざるキキョウの万能さについてお話し致します。

【キキョウの色目】

キキョウは昔、夏の装束の染料として多用されておりました。『(えい)花物語(えいがものがたり) 』には、治安2年(1022)7月14日の法成寺金堂・落慶供養において、インテリアとしての十二単飾り「(うち)出(うちいで))()(いで)」に「桔梗・女郎花(おみなえし)(おみなえし)・萩・朽葉(くちば)(くちば)・草の香などの織物」があったと記されています。

※『打出』…几帳きちょうの架に十二単を着せ掛けて御簾みすの後ろに数多く並べ、あたかも着飾った女房たちがたくさん並んでいるように見せる工夫のこと

男子の装束では『物具装束抄(ものぐしょうぞくしょう)』に「桔梗狩衣は表が二藍(青紫色)・裏が青(緑色)で、五・六月に着る」とあります。

また束帯装束(平安時代以降の公家男子の装束)では、(く)卿(くぎょう)(ぎょう)が赤色の下襲(したがさね)(したがさね)を着ておりましたが、平安時代末期になると6,7月の暑い時は『桔梗下襲』と称して、二藍無文の下襲を着用していたという記録があります。桔梗で染めた涼しい装束は位に関わらず人気があったのですね。

キキョウは他にも染料になるだけでなく、去痰・排膿の生薬としても重宝されたそうです。

このように、いつも何気なく見かけていた植物も、私たちの知らない力をたくさん秘めています。先人たちの知恵って本当にすごいですよね。

これからも少しずつ、身近な植物をこちらでご紹介させていただきます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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